感想しか書いてない

本・映画・その他見たもの読んだもののアウトプット用のブログです。ほぼ感想だけを載せる予定

【感想】ニコラ・ライハニ著 「協力」の生命全史 進化と淘汰がもたらした集団の力学

半年くらい前に、X上でいつものように弱者男性がどうのこうの話題になっている時に東洋経済のこの記事が目に入り、読める機会が出来たので読んで見た。 この記事によると「狩猟採集社会では殆どの男性に繁殖の機会があった」らしく、Xでたまに見る「アルファ…

【感想】石田保昭著 インドで暮らす

実家にたまたまあったので、手に取って読んで見た。50年代後半に3年2ヶ月に渡ってインドで教員として過ごした男性の手記だった。今でもインドに長期滞在するような事は大半の日本人は二の足を踏むのに、50年代のインドでしかも現地の人と変わらない給与水準…

【感想】ソルジェニーツィン著 収容所群島(1) 1918-1956 文学的考察

前から気になっていた本であったので、まずは6巻ある中の1巻を手に取ったが全巻読破するのは中々難儀だなと思える内容だった。書いてあることもドストエフスキーを読んでいる時みたいに急に文章の中で別の話をしたりしているので、よくわからん事も多かった…

【感想】渡辺京二著 逝きし世の面影

この本は、著者が外国人から見た幕末明治初期の日本への情景をまとめたものであり、当時の日本が如何に現代日本とかけ離れた美しい光景と人々が見られたかというのが述べられている。当然、それは西洋人から見た色眼鏡であり、光の面しか見ていないものであ…

【感想】ミヒャエル・エンデ著 モモ

以前、知り合いが文明批評もこめて絶賛していたので読んで見る事にした。 確かに、文明批評が入ったファンタジーとしてはかなり素晴らしい作品だと思えた。ジブリあたりがアニメ化したら結構合いそうな感じはするが、宮崎駿はこの作品に対してどれくらい興味…

Newsweek 2023/9/12号「温暖化の明るい未来」

「人類はもっと地球温暖化に楽観していい」というホンマかいなという見出しに魅かれて読む。 概要的に言うと、「想定以上にEVなどの脱炭素の技術が普及している」からある程度楽観視していいという話らしい。 19年時点では多くの気候学者が産業革命前から5度…

【感想】大木康著 中国明末のメディア革命 ー庶民が本を読むー

X上でこの本を見つけて気になったので読む事にした。 この本によると明末の嘉靖元年(1522年)から書籍の発行が膨大になったそうである。それがどれほどすごい事かというと、同時期に欧州で発行されたドン・キホーテの初版本は申請書を提出し手袋をはめて読…

【感想】かなえ先生著 もしキミが、人を傷つけたなら、傷つけられたなら

この本は10代の子を対象に向けて、いじめや少年犯罪について描かれている。かなり平易にわかりやすく書かれており、全国の学校や図書館に置く価値はあると思う。ただ、社会情勢の変化が激しい昨今なので10年くらいは定期的に改訂する必要はあると感じた。 な…

【感想】映画 バービー (ネタバレ有)

最初はあまり興味がなく、伝え聞く限りではフェミニズム映画ときいたので、「バービーが目覚めて本来の自分を取り戻す」というお決まりの映画かなという感想しかなかった。しかも「バーベンハイマー」騒動まで起きていたので、余計に印象は悪かった。 ただ、…

【感想】スズキナオ著 深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと

今時珍しいサイト巡回をしていたら「深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと」という本を見つけた。紹介文を読んだかぎりでは何のことない事を如何にして楽しむかといった感じの本だった。 なんとなく気になって読むことにしたが、内容としては「大衆…

バラモン左翼とは(福島原発事故での特徴)

「リベラル」「弱者の味方」を自認していた左翼界隈が独善的な正義に拘泥し、強い善意のままに「正しい」と信じて、福島への風評加害者になってしまった要因がトマ・ピケティが批判する「バラモン左翼」の特徴と共通している。 ①「お客様」「被害者意識」が…

カルチャーラジオ 日曜カルチャー「アイヌの文化と物語の世界」(1)視聴する。

あいうえお NHKカルチャーラジオ 日曜カルチャー「アイヌの文化と物語の世界」(1)を視聴する。講師は千葉大学 中川裕名誉教授。 www.nhk.or.jp アイヌの紹介として、あのゴールデンカムイがしょっぱなでとりあげられていたが、天下のNHKであの教育上良くな…

出生が悲惨すぎる主人公と聞いて読んでみた【木枯し紋次郎(一)赦免花は散った(感想)】

いつものようにtwiiterを覗いていたら、誰かが木枯らし紋次郎の事を言っていて、この主人公の事を虚無的な人物と紹介していて、wikipediaなどで調べてみたら、「間引かれそうになったのを姉に助けられるも、その姉も病気で死んでそれから流浪の無宿人になっ…

人間以外の世界の見え方【ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学(感想)】

本屋でたまたま新書を見てたらいくつか気になったのがあったので購入。その中の一冊がこの本だった。 ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書) 作者:本川 達雄 中央公論新社 Amazon 内容としては動物・植物含めた生物には大体なにかしらの法則と…

外国から見た公害映画というのは初めてだったかも【MINAMATAーミナマター (感想)】

才能が枯れ果てたオワコンのカメラマンが異国の地で困難に直面しながらも己のやる事を再確認し、同じくオワコン化しつつある雑誌に写真を載せた事で世界を変えたという話である。 良い映画ではあると思ったが、その地域でチッソで食っている人達が沢山いると…

地獄太夫という室町時代の大人気遊女がいたのだが

あの一休和尚とも仲が良かったと言われる室町時代の大人気遊女で、地獄太夫というのがいる。 ja.wikipedia.org なんで地獄太夫という名前なのかというと、賊にさらわれて遊郭に売られたのは前世の行いが悪かったからだとの事。昔はそれを聞いて変わった人だ…

信仰がある人達の世界とはどういうものか【紀野一義著 生きるのが下手な人へ(感想)】

何故、この本を読もうと思ったというか手に取ったのかというと、twitterを覗いている時に紀野一義という太平洋戦争で一度の失敗で死に至る不発弾処理を1752回も行い成功して故郷へ生還するも、原爆で家族友人全てを無くすが、それで仏典の神髄を得た人がいる…

資本主義という宗教がどのように成り立ったか【解読ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(感想)】

現代ビジネスを読んでいたらこの記事を見かけて興味を持ったので読んでみた。 内容としてはウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を原著より分かりやすく説明したものである。ただそれでも自分の読解力では理解できなかった面は多かっ…

当時の中国は今でいうインドのような存在だったのか【上海游記(感想)】芥川龍之介

どういうわけか、ふと一昨年に芥川龍之介が上海に行った時の事をドラマ化したやつがあったなと思い出して、青空文庫にないかと探してみたらあったので読んでみた。 NHKのドラマの方はTVで放送せねばならぬのもあって、猥雑なもののあくまで絵になる光景が多…

悪女列伝として読むなら相当面白い【女帝 小池百合子(感想)】

ある意味、前回の記事からの続きとして「女帝 小池百合子(石井妙子著)」を読む。 とにかく、一人の悪女が成り上がるために親も何もかも利用して巻き込んでいく様は一つの物語としてかなり面白かった。個人的にはカイロ大学生から政治家になるまでの話が特…

学問を学ぶ場というより人脈と政治力をつける場という感じだった【”闘争と平和”の混沌 カイロ大学(感想)】

自分がこの本を読んだきっかけは以下のツイートを見かけて気になったからである。 「カイロ大学」と「女帝小池百合子」に中田先生の小池百合子評全部含めて3時間あれば読めるし、たぶんイメージするよりは一桁分厚い読書体験になります。これは読んだ方がい…

俺たちに未来はあるのか【21世紀の啓蒙(下)感想】

上巻の続き arushunogomitame.hatenablog.com 図書館に怒られながらなんとか昨日、読了する。 面白いけど長いんよ。この本は。 前のブログでも書きましたが、これに書いてあることは本当かなと思うものの正しいのなら認識を改める必要があるし、安直に絶望す…

数字が正しけりゃ世界に絶望するのは馬鹿だという事になるが【21世紀の啓蒙(上)感想】

図書館に早く返せとせかされながら、上巻をなんとか読み終える。こんな分厚い本を2週間で読むなんて無理だろと思っているが、決まりは決まりなので仕方がない。自分の後にも予約がいっぱいらしいので延期も出来ず。 とりあえず、上巻は読み終わりました。 昨…

絶賛の割に普通だと思った【ミッドナイトスワン(感想)】

あのエガちゃんがyotubeでえらく絶賛をしていたので見に行く www.youtube.com 普通に良い映画だとは思ったけど、テンプレにテンプレを重ねて無難に仕上げた感をやたら感じたので、絶賛するまではいかなかった。 登場するキャラクターがステレオタイプが過ぎ…

あらゆるコンテンツを作る際の参考になる気がする【完全教祖マニュアル(感想)】

人間というものは、物語を通してしか世界を理解出来ない。それが人間の可能性であり限界だと個人的に思っている。 そして、人間が作った最強の物語およびコンテンツが宗教だろう。 その宗教がどういう感じで作るかが分かれば多少は創作の手助けになるのでは…

 【ネタばれ有】市川は俺らのようで俺らではない【僕の心のヤバイやつ 1~3巻(感想)】

今、結構人気のある漫画で「僕の心のヤバイやつ」という漫画がある。 現在、マンガクロスにて連載中の漫画である。 mangacross.jp 僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス) 作者:桜井のりお 発売日: 2018/12/07 メディア: Kindle版 僕の心のヤ…

何故ラグビー日本代表はあそこまで努力できたのか【ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」(感想)】

自分がラグビー観戦するようになったのは、あの2015年の南ア戦の勝利でメディアが取り上げてからである。 個人的に運動神経が悪いのもあって見る時は見るもののそこまで熱心にスポーツ観戦をする事はなかった。 ただ、ラグビーは明らかにサッカーや野球とは…

キモくて金のないおっさんが孤独死した話がなぜここまで影響力をもったのか【ニコライゴーゴリ 外套(感想)】

この作品を最初に知ったのは、ネットでロシアアニメを漁っていた時にユーリノルシュテインの未完のアニメ作品だった。 www.youtube.com その時はとくに気にもしていなかったが、最近になって青空文庫にこの外套が載っていると知り、読んでみる事にした。 www…

大恐慌投資法【雑な概要】

大恐慌投資法 大不況、コロナ、金融ショックで最大級のリターンを狙える超絶投資法 大恐慌になって一番やばくなる業界は金融・不動産・建設になる。 ただ、恐慌が終わったら一番上がる業界でもあるので、ハイリスクではあるものの少し買うのはあり。 報われ…

「世界恐慌」株価暴落 最悪の事態をチャンスに変える【雑な概要】

「世界恐慌」株価暴落 最悪の事態をチャンスに変える 最悪な状況を具体的に想像して(抽象的ではなく)、諦めるのではなく出来る事を素早く行う事。 未来は分からないがシナリオを作った方が良い。 現金ポジションと株式ポジションをどれくらいにしるか決め…