感想しか書いてない

本・映画・その他見たもの読んだもののアウトプット用のブログです。ほぼ感想だけを載せる予定

人間以外の世界の見え方【ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学(感想)】

 本屋でたまたま新書を見てたらいくつか気になったのがあったので購入。その中の一冊がこの本だった。

 内容としては動物・植物含めた生物には大体なにかしらの法則というか、体の構造的な制約がありその制約を抱えながらどう複雑化発展しているかみたいな事が書かれていた。

 個人的に一番面白いと思ったのは、水中というのは脊椎動物くらいの大きさの生物だと我々人間が感じるように液体として感じられるが、微生物くらいの大きさの生物になると物理学的な問題でジェルを泳いでいる感じになるという事だ。なのであんな繊毛といったもので泳げるらしい。

 あと、微生物レベルになると物理法則で物質が拡散していくので、血管や臓器がいらないという事は意外な事実だった。ただそういう生物でもプラナリアのように平べったく体を伸ばして大きくする生き物もいるらしい。(そのためにプラナリアはどこを切られても平気なのである)

 それから、移動が出来るので環境の変化が多い生き物には有性生殖が多く、逆に移動しない生き物は環境の変化があまりないので、単性生殖が多いという話は面白かった。

 

 あとがきで、著者が都会の光景を見ると、現代の文明ははたして人間の時間にあっているのか。自然と接していないと自分の頭の中を見つめ始め、抽象化していきどんどん頭でっかちになってないかと言っていたが、まぁそうだろう。だからこそ少子化などで色々と問題が出てきているのだろう。なので、人類をアップデートしたホモ・デウスみたいな概念が出てくるのも無理はない。