「人類はもっと地球温暖化に楽観していい」というホンマかいなという見出しに魅かれて読む。
概要的に言うと、「想定以上にEVなどの脱炭素の技術が普及している」からある程度楽観視していいという話らしい。
19年時点では多くの気候学者が産業革命前から5度近く上昇し、世界の広範囲が居住不能になると予測していたが、グリーンエネルギーの使用が飛躍的に増加したので上昇幅は薬2.5~3度程度になるらしい。
オックスフォード大学のアワ・ワールド・イン・データ(世界の変化をデータで読み解くウェブサイト)主任研究員のハナ・リッチー氏は著書の「世界の終わりではない」で「温室効果ガス最大排出国の中国が再エネ転換を猛烈なペースで進めている」ので一筋の希望が見えてきていると言っている。
また、国際再生可能エネルギー機関によると、太陽光発電のコストは10年から21年の間に88%低下。陸上風力は68%、洋上風力は60%も下がっている。
以前は石炭消費量も21世紀末まで増加すると予測されたが、13年を境に減少しているとされている。
全世界のEV販売台数も20年の1000万台から3000万台に増加し、前年比で60%も増えている。
産業革命より気温が5度上がれば、海水面が90cm上昇するが、気温が2度なら30cm程度に収まるそうだ。また3度高くなれば干ばつが続く期間は平均10ヶ月長くなるが、1.5度ならその期間は2ヶ月になる。動植物についても2度なら脊椎動物の8%、植物の16%が生息域の半分を失う。しかし、4.5度なら脊椎動物の42%、植物の68%が生息域の半分を失うとの事。
コロラド大学ボールダー校のマシュー・バージェス助教は「現在では平均気温は3度程度にとどまる」と言っている。
なんにしても、この特集を読んだ限りだと完全なる人類の終わりがくる可能性は低いらしいが、それでも生態系や社会へのダメージがきつそうなのでそれほどお気楽な気持ちにはなれないと感じた。しかし、これだけ戦争でごたごたしてるのにこの予測は正しくなるのだろうかという懸念もある。