感想しか書いてない

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 【ネタばれ有】市川は俺らのようで俺らではない【僕の心のヤバイやつ 1~3巻(感想)】

今、結構人気のある漫画で「僕の心のヤバイやつ」という漫画がある。

現在、マンガクロスにて連載中の漫画である。

mangacross.jp

話の内容は、学校に必ずいたであろう俺らのような陰キャ主人公の市川が、学校一の美人でモデルの仕事もしている山田と良い感じになっていくという、これだけ聞くと典型的なオタクの妄想のような漫画である。

 

実際のところ、「結局はオタクのファンタジーであり、ヒロインである山田は卒業などのきっかけで主人公のもとをあっさりと離れる」みたいな意見もある。

togetter.com

 

まぁ、こんな意見は漫画をよく読めば見当違いも甚だしい事がよくわかる。

市川は決してオタクが妄想するような自分からはなにもせずに女性からいいよられる主人公ではない。

市川は1巻の頃は、お前は俺かというくらいシンパシーを覚えるキャラで基本的には山田のまわりをうろちょろしている感じだった。

それが、2巻を境に山田が市川のまわりをうろちょろするようになるのである。この辺だけを見ればオタクに都合のいい内容に感じるし、例の意見もこの辺だけをざっくり見たからであろう。

そして、山田が市川の周りをうろちょろしだす理由も15話の市川の気遣いが決定的なきっかけだろう。

 

なんにしても、市川はやる時は決断と行動をためらわない男だし、それによって彼を主人公たらしめた人物にしている。

市川を俺らの代表と捉える向きはあるが、それは間違っている。

果たして俺らは、5話で自転車を投げることが出来ただろうか、10話で自分が描いたと言えただろうか、15話でティッシュを置く事が出来ただろうか、20話で教師を論破する事が出来ただろうか、27話で紅茶を山田に渡せただろうか、30話で教師からお菓子を隠せただろうか。

お前ら出来るか?俺は出来ない。

山田をファンタジーな存在と言う事はできるが、同時に市川もファンタジーな存在なのである。だから話が展開するのであるが。

なんにしても市川は俺らではない。だから物語の主人公としてふさわしい男である。

逆に言えば、俺らも決断と行動をすれば人生という物語の主人公になれるのだろうと、市川について考えながら思った。

いい加減、俺も人生の主人公になりたい。

なにはともあれ渋谷デートがどうなるか、6/30の更新が楽しみである。

 

(余談だが、島耕作や不倫食堂のように何故かすぐ会った女とセックスできる話が個人的にはあまり好きではない。が、それでも人気なのが不思議である。この作品を読むたびに自分の中のピピ美が「そうはならんやろ」とささやいて仕方ないのである。)