ある意味、前回の記事からの続きとして「女帝 小池百合子(石井妙子著)」を読む。
とにかく、一人の悪女が成り上がるために親も何もかも利用して巻き込んでいく様は一つの物語としてかなり面白かった。個人的にはカイロ大学生から政治家になるまでの話が特に面白く、ネットフリックスあたりでドラマ化したら一番盛り上がりそうな展開だった。ただ、政治家になってからはグジグジした権力闘争の繰り返しになるので、それほど面白いとは思えなかった。
ただ、読んでいて思ったのだがあまりにも話として出来過ぎているので、蝉丸Pに習い「真実はいつもいまひとつ」と捉えている自分としては眉に唾をつけたくなる事が何度もあった。(事実は小説より奇なりというのはあるがそんな事は滅多にない)
真実はいつもいまひとつ!であって、明確に組織的な陰謀でもあってくれりゃ万々歳なんだけども >RT
— 蝉丸P@「住職という生き方」「つれづれ仏教講座」発売中 (@semimaruP) 2013年4月30日
あと、豊洲問題で出てくる築地のおかみさん達でもそうだけど「女性だから信用できる」みたいな事がちょくちょく出てきて世間の認識としてはそうなのかと意外に思ってしまった。ある種、女性というのは神聖視されているのだろうか。普通に考えれば男女関係なく信用できるとは限らないのに。
正直、最近は記者やライターの信用が落ちている面があるのと、この本の内容を見ても「巨悪に挑む正義のジャーナリズムをしている!」という感じがプンプンしているので、どこまで信用していいのかとも思ってしまった。「嘘」は言ってないにしても「脚色」や「誇張」も結構あるのではという思いは読んでてずっと拭えなかった。(自分は小池を政治家としては全く評価していないのであしからず)
最初にいったように「悪女列伝」として読むには相当面白いのでそういうスタンスで読むのが一番良い本ではないだろうか。
それにしても、この本で言われているように進次郎や小池のようなメディア受けばかり良い人間が行政のトップになるのはなんとかならないのだろうか。