感想しか書いてない

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何故ラグビー日本代表はあそこまで努力できたのか【ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」(感想)】

自分がラグビー観戦するようになったのは、あの2015年の南ア戦の勝利でメディアが取り上げてからである。

個人的に運動神経が悪いのもあって見る時は見るもののそこまで熱心にスポーツ観戦をする事はなかった。

ただ、ラグビーは明らかにサッカーや野球とは雰囲気が違った。他の球技と違って、明らかに国境を争うスポーツでまるで戦争を具現化したようなスポーツだと感じた。

ゴールライン間際のモールやラックを見ると、城門をこじ開けようとする兵士とそれを食い止める兵士の戦いを見ているように思ってしまう。

またあれだけパワフルにも関わらず、相当なインテリジェンスが要求される(すくなくともSOやSHには)と感じたし、日本代表の精巧なパス回しを見て、チーム全員が心を一つにしないと相手に勝てないスポーツだと感じ痛く感動もした。

そういう事もあって、TVでたまにラグビーが放送された時は必ず視聴するくらいにはにわかファンであったが2019年のW杯で自分は完全に堕ちた。より具体的にいえばその時に世界ランキング1位だったアイルランドに勝った時に堕ちた。スポーツ観戦をして拍手をしたのはあの時が初めてだった。

あれを見てしまったからには生で観戦しなくてはと思い、近場でやっている試合は見ようと思ったし、実際にそうした。ただあの熱狂の為にチケットも買えなくなってしまい、スポーツバーで観戦する事になった。

ただ、この熱狂がコロナで冷まされたのは悲痛極まりない話だ。ただ、またトップリーグが再開したら熱は冷めているだろうからチケット購入は普通に出来そうと思ってしまった(ラグビー関係者には怒られそうな話だが)

 

まぁそんなこんなで、ラグビーにはまってしまったわけだが、まず日本代表の活躍を見て一番思ったことは「何故、彼らはこんなに頑張る事が出来るのか」という事である。

門外漢が見れば恐ろしく困難な事に果敢に立ち向かう姿には感動を覚えるし、彼らの根性の1000分の1でもいいからあやかりたいと思ったものである。

そう思ってアマゾンでラグビーと書籍検索をしたらこの本を見つけた。

著者は2015年W杯での南ア戦勝利に貢献したメンタルトレーナーで、なぜ日本代表があそこまで努力できたのか知れると思い購入する事とした。

 

ルーティーンなどについて色々書かれていたが、自分がまず気になった事はどうやって「勝つ文化」を日本代表内に築いたかという事だ。

ではまずどのようにして「勝つ文化」を築いたかというと

 

 ・国歌を練習させて全員で歌えるようにし、それによって何のためにそこにいる

  か、何のためにそれをやるのかを意識させて、自ら積極的にコミットさせる意識を

  目覚めさせた。それによって代表内に「誇り」を実感させた。

 

 ・選手に主体性を持たせたメンタル指導をすることによってモチベーションを高めさ

  せた(自分でコントロールできることが多いほどモチベーションが高まるから)。

  具体的には、選手が問題や課題を実感して質問してくるまで何も指示しないといっ

  た感じ。

 

 ・伸び悩んでいる選手のマインドセットを変えるために、足りないところ、やらなけ

  ればならない事に気付けるよう話合った。

  

といった感じに今まで能動的に動いていた事を主体的動くようにするだけでも大分変われたようである。

また、そういう主体的に動く(自分で考えて行動する)事はモチベーションを上げる事につながる。それはコピー用紙をどうするかといったしょぼい事でもいい。

他に自信をつけることもまた重要である。方法としては、

 

 ・自信があるようにふるまう

   姿勢を良くし、顔をあげ、胸をはるなど。これは自信以外でもモテるようになる

   ためにモテているようにふるまう、もしくはモテている奴のしぐさを真似するで

   もいいのかもしれない。

 ・セルフトーク

   声に出す出さないは自由。とにかくキツいとおもっても頑張りたい、出来ないと

   おもってもできる、合格できるかわからなくてもこれをすれば合格できるといっ

   た感じで「自分自信をつけてあげられる言葉をかける」こと。

   信じることができる言葉をかける。

 ・繰り返し練習する

   まぁようするにできるようになるまで練習するということ。

こんな感じでしょうか。

 

それと、目標設定については「結果に関する目標」をよく設定するがそれだけでは駄目で以下の2つの目標も必要になってくる。

  ・パフォーマンスに関する目標

   自分自身のパフォーマンスの向上の目標(例:ベンチプレスの記録を5㎏アップ

   する等。記録すると尚良し。)

 

  ・過程に関する目標

   どのようにして具体的なスキルを獲得するか(例:キックの成功率を5%上げる

   ためにプレパフォーマンスルーティンを完成させる等)

   こうした目標はどうすればパフォーマンスの向上につながるか考える力がつく。

   要するに「理想のパフォーマンスにたどり着く過程に集中する」事で結果を出す

   事へのプレッシャーから解放される。

 

また、目標設定の方法についてはとにかく高い目標より、「ちょっとがんばればいける目標」を設定し、また「絶対に達成できる目標(おそらくしょぼい目標で良いと思う)」を設定することで達成感と自信をつけて、それを「期限付き」でやりとげるといった感じでするのが良い。

これらをふまえれば、結果に関する目標・パフォーマンスに関する目標を「ちょっとがんばればいける目標」に設定し、過程に関する目標を「絶対に達成できる目標」として設定すればいいのかもしれない。

それと、あまりたくさん目標を作ることもよくない。この本では「これだけはやること」を6つ、「絶対にやらないこと」を3つあげて、やることに「自分がやりすぎていない事を評価する」という項目を入れている。とにかく、やるべき目標をしぼること。

 

目標に到達できない事も多々あるので、その時は自分が本当に「どこにたどり着きたいのか」を良く考えて、それに到達するために完璧主義をやめたり初志貫徹をやめたりと柔軟に対応する。アプローチを変更したりすること。

 

思考停止には良いものと悪いものがあるらしい。

暑いなどの環境要因や味方や自分がミスしてしまったことなどのコントロール出来ない原因から嫌な思考がでそうな場合はその考えをやめる事が良い思考停止である。

当然、一朝一夕ではできないが著者によればトレーニングによって出来るそうだ。

自分が「イライラしているな」と感じたら、ラグビー選手の場合はゴールポストの一番上をみるそうだ。

思考停止はなんらかのツールがないと難しいので、「これを触る」「これを見る」などのツールを見つける必要がある。自分の場合は親指を握るの少し落ち着くような気分になるので、これにしようか。

著者によれば大体3か月くらいでできるらしいが、一か月続けてだめなら別の方法に変えるべきである。極めると眠気すらなくせるらしい。

ただし、解決すべき問題に対して思考停止することは悪い思考停止なのでやめること。

 

漠然とした不安が一番恐ろしい。

不安があれば、とにかく細かくひとつひとつときほぐして書き出すこと。可視化することが重要。

 

ストレスはたまらない。いくつかのストレスが並行しているだけ。

ストレスがたまっていると感じた時は漠然とした不安に襲われた時と同じく、何がストレスになっているか解きほぐし、原因がわかったらひとつひとつ対応していくのがいい。(しかし、個人的には限界のある対処法な気はする)

 

ストレスを「挑戦」とうけとめる

(ある程度、己に自信がないとできない事なので、若干上級者向けな気はする)

 

自分よりちょっとできる人を探す。

分からないときは周りに頼れ。また、自分よりちょっとできる人を観察し真似すると良い。自信もつく。

 

失敗を経験と捉えられるか。

あえてグレーゾーンを作る。

 

自分の価値観をどこに置くか

環境を変えるか、自分を変えるか、我慢するか考える。

 

とりあえず、ラグビー日本代表がここまで頑張れたのは才能と運もあったのだろうが、己をよく観察し、うまくそれに対処し、少しづつ確実なランクアップを積み重ねていった結果なのだろう。

自分がどこまでできるかはわからないが、少しでもいいからこれらの事を取り入れて、世界を広げていきたいと思っている。